日本プラスト
代表取締役社長 時田 孝志 代表取締役社長 時田 孝志
代表取締役社長 時田 孝志

株主の皆様には、平素は格別のご高配を賜り、
厚くお礼申し上げます。
当社グループの概況につきましてご報告をいたします。

■当期の業績について

当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、 世界的な半導体供給不足は緩和され、自動車の生産は回復傾向にありますが、中国では、EV(電気自動車)シフトが急速に進み、市場のニーズが大きく変化していることや地政学リスクの高まりによる不安定な世界情勢等の懸念は残 存し、引き続き不透明な状況にあります。

このような状況の中、当連結会計年度における売上高は、中国での日系自動車メーカーの販売苦戦の影響等による減収はあるものの、半導体供給不足緩和に伴う得意先の生産回復、新車効果、原材料価格高騰等の販売価格転嫁の進展、為替換算による増収影響等により前期比20.2%増の1,242億円となりました。損益面では、中国での減収影響、賃金上昇を受けた労務費の増加、貸倒引当金繰入額の計上等による悪化要因はあるものの、その他の地域での増収影響、合理化による収益改善、原材料価格高騰等の落ち着きや得意先の生産回復を受けた生産ロス解消等により営業利益は28 億円(前期は9億円の営業損失)となりました。経常利益は外貨建債権や海外連結子会社に対する貸付金の期末為替レートによる評価により為替差益を計上したこと等を受け29億円(前期は7億円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は製品保証引当金戻入額を特別利益に、減損損失を特別損失に計上したこと等により24億円(前期は36億 円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

■来期の見通しについて

来期の見通しにつきましては、売上高は、前期比1.8%減の1,220億円と概ね横ばいで推移し、営業利益は、将来立ち上がる新車の開発費増加等を受け前期比28.9%減の20億円、 経常利益は、前期比52.1%減の14億円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比63.7%減の9億円を見込んでおります。

なお、本見通しは4月末時点の最新情報を織り込んでおりますが、依然として当社グループを取り巻く環境の先行きは不透明な状況にあり、実際の業績等はさまざまな不確定要素により変動する可能性があります。

また、為替レートにつきましては1ドル145円を前提としております。

■配当について

当社は、将来の事業展望と経営体質を強化するために必要な内部留保を確保しつつ、株主の皆様への利益還元を経営の重要課題の一つとして認識し、収益の向上に努めるとともに、業績及び配当性向等を総合的に勘案して安定的な配当を継続して行うことを基本方針としております。

当連結会計年度の期末配当金につきましては、1株当たり7.5円とさせていただきます。これにより中間配当金の1株当たり7.5円と合わせ、年間配当金は1株当たり15円となり ます。

来期の配当金は、中間配当金は1株当たり7.5円、期末配当金は1株当たり7.5円とし、年間で1株当たり15円とする予定です。

当社は、上記の基本方針に則り、過去3年間赤字が続く中でも、配当金をお支払いしてきました。当連結会計年度は赤字から脱却できたものの、新型コロナ、半導体供給不足といった、これまでの厳しい環境下で借入金が増加している状況に鑑み、公表済の配当予想を据え置きといたしました。

来期は、連結業績の見通しが減収、減益となる等、厳しい状況が予想されるため、前期の配当金額を据え置きといたしましたが、配当性向は31.6%となります。

今後も配当性向30%を意識した株主還元を実施したいと考えております。

引き続き、将来の成長発展に向け、全社一丸となった経営の合理化による収益力の向上に注力し、持続的な経営体 質の強化に努めてまいります。

株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2024年 6月